2018/12/21
2018年夏に首都圏を中心に広がった風疹の大流行による初の先天性風疹症候群が、2019年に1月に埼玉県で報告されました。妊娠初期に風疹に罹患すると、
特に妊娠20週頃までの母体に感染すると, 風疹ウイルスが胎児に感染して、 心疾患, 白内障, 難聴, 低出生体重, 血小板減少性紫斑病,
精神運動発達遅滞等の様々な症状を示す先天性風疹症候群(CRS)の児が出生する可能性があります。
母親が顕性感染した妊娠月別のCRS の発生頻度は、妊娠1 カ月で50%以上、2カ月で35%、3カ月で18%、4カ月で8%程度です。成人でも15%
程度不顕性感染があるので、母親が無症状であってもCRS は発生する可能性はあります。
風疹を予防するには、ワクチンを受けることが最善です。2006年度以降, 1歳児(第1期)および小学校就学前1年間の児(第2期)を対象に,
麻疹風疹混合ワクチンを原則とした2回の定期接種が行われています。2016年度風疹含有ワクチンの接種率は第1期97.2%, 第2期93.1%であり,
第1期は95%以上とする目標に達していますが、 第2期はまだ達していません、ワクチンを忘れずに受けて下さい。また、これまで風疹の定期接種を受ける機会のなかった1962年4月2日から1979年4月1日生まれの男性(現在39才10月から56才10ヶ月)を対象に、風疹の抗体検査を受けた上で抗体価が低い場合に定期接種をする方針が示されていますので、対象の男性は検査と接種をおすすめします。